今日もまたニンゲンがくる。 何をするでもなく、私の話を聞いて、怪我の具合を聞いて、去っていく。 あいつは何が目当てなのだろう? 私を懐柔して、なついたところで毛を剥ぐ気なのかもしれない。 私を懐柔して、見世物小屋に連れて行く気なのかもしれない。…
風が吹いた。 冷たい北からの風。 それはまあいつもの事だ。 風の流れに変化はない。 強い、冷たい、風。 いつもと変わらない。 そのはずなのに。 いつもよい、冷たく感じた。
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