ディース:極彩色に染まった部屋

「まずい。不味いぞ……。これは絶対にまずい。」
極彩色に染まりあがった自室を眺めて、呟く。


「ははは、腐海もビックリじゃな〜」
自嘲気味に笑ってみるが、そんな場合ではないことは重々承知。
そう言ったところで、自体が解決するなんてことはけしてない。
こんな所をマルティに見つかったら、怒られるのは確実じゃ。怒られんわけがない。
あやつは儂の方が何倍も年嵩だと言うに、臆することなく怒ってくるからのう。



では、この極彩色の藻に埋まった自室をどうするか?



昨日買ったばかりの魔道書までもが、藻の餌食になっている。
アレは結構高かったのに……。


見つかる前に掃除する?
それが一番の解決策だろうな……。だが、儂は掃除は苦手じゃ。
いくら部屋が広くないとはいえ、これを元の状態に戻すまでにはそれほど時間がかかるか……。
一日で済むはずはない。


「それにしても……」
まさかこの様な失敗するとは、考えておらんかった。
と言うよりも、スープを作ろうとして極彩色の藻が溢れると言う事を誰が予想できるだろうか?


とりあえず……今日はこの部屋で眠れない事だけは確かだろう。