project FE
昨日から、ラボの人があんまりいない。 いつもあんまり見ないけど、気配を感じないから……きっといないんだと思う。 よくわからないけど、寒くなると人がいなくなる時期がある。 たぶん、それがはじまってる。 じゃあ、きっと……こない……のね。 これが、寂しい…
手を伸ばして、あの暖かな手を握り返してみたい。 手を伸ばして、あの優しい笑みに振れてみたい。 それは許されないことで、きっと拒まれる。 あの笑みを見ていると。 あの温もりに触れていると。 近づいてもいいのだと、思い違いをしてしまいそうで怖くなる…
不意に伸ばされた手が、私の頭をなでる。 その手の感触はとても優しげなものだったのに、慣れぬその行為に反応を起こす。 「あ、嫌だった?」 「い、いえ……その様な事は……ッ!」 「なら、良かった」 そう言って、ふわっと笑う。 向けられる笑顔を見ていると…
「何故、貴方は……わたしの、ところくるの?」 ふと感じた疑問を口にする。 「なんでって、風は俺と一緒にいるの嫌か?」 逆に質問を返されて、返答に困って口ごもる。 イヤじゃない。 嫌いじゃない。 そう思っていても口が上手く動いてくれない。 「俺は、お…
今日、窓から見えた。 はな……ピンク色の、咲いてた。 うそつき
風「……水、ねこ……好きなの?」 水「な、何を急に!?」 風「この間、外見えたの……窓から。 水、ねこに餌あげてたわ」 水「す、好きと言う……ほどでは………」 風「……そう、なの? 嬉しそう、だったわ、すごく」 水「気の、せいです…………」
この間のチョコ、おいしかったわ。 あまいの、きっと好き。 もっと……食べたい気もする。
ラボの敷地内に初めて見る子がいた。 どこからか迷い込んできたのだろうか? 白くてとても可愛らしいかった。 ずるいほどに可愛い、……ネコ。 明日、もう一度探してみよう。
天気、晴れ。 体温、35,2℃。 脈拍正常。 自己判断ではこれと言って異常は感じられない。 ただ……最近、少しだけ思考の乱れを感じる時がある。 原因は…………。
よくわからないけれど、チョコレート、もらった。 甘いもの、久しぶりな気が……するわ。 どうしよう……かしら。